「自動車を自分で買うことができないから名義を貸してほしい」とお願いしてくる人が、時々います。
理由は様々ですが、名義貸しをお願いしてくる人の一例をあげてみましょう。
・何らかの事情によってクレジットカードが作れず、車を買うお金が用意できない人。
・犯罪や、違法行為を目的に車を使いたいので、自分の名義を使いたくない人。
・自分に税金の請求が来るのが嫌で、あなたに払わせようと思っている人。
想像がつくと思いますが、こういう人にあなたの名義を貸すのは大変危険です。
まだ働いていない自分の子どものために名義を貸すならともかく、それ以外の理由で名義を貸すメリットは一切ありません。
「名義貸しをしているだけだから、私は自動車税を払いません」というのは、可能なのでしょうか?
そして、「督促状は実際の使用者に送ってください」という要望は、受け入れられるのでしょうか?
自動車税の納税義務と実際の使用者は関係ない!請求が来た人が払わなきゃいけません
別の記事でも触れたと思いますが、自動車税の納税義務者はあくまで、車検証上の所有者です。

自動車税の納税義務は、自動車の車検証上の名義人ですので、役所はほかの人に納税の催促をすることはできません。
もし納税の催促するのであれば、あなたが自分で、実際の使用者に納税するよう伝えるしかありません。
自動車税は納期限までに自分で払ってしまったほうがいいでしょう。
もしそのまま税金を滞納し続けると、預金などを差し押さえられてしまいます。
実際に差押えされてしまった人の体験談も参考にしてみてください。
自動車の名義貸しは違法行為!罰される危険もあるので気を付けよう
そもそも、自動車の名義貸しは刑法にもとづく違法行為にあたります。
刑法
第157条 公務員に対し虚偽の申立てをして、登記簿、戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ、又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
刑法上は、名義を貸すことは文書偽造の罪に問われる可能性があります。
実際に名義貸しによって罰されたという話はあまり聞きませんが、違法行為だということはおぼえておいた方がいいでしょう。
本当に運転するためだけに名義を貸したのなら大きな問題にはならないでしょう。
ですが、万が一あなたの名義の車が犯罪に使われた場合、あなたも責任を負うことになるかもしれません。
少なくとも、警察から何らかの取り調べは受けることになるでしょう。
安易に車の名義を貸したりしないようにしましょう!
逆に、名義を借りて自動車に乗っている人は、ちゃんと自動車税を払ってあげてくださいね!
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